Z・刻をこえて
人類が初めて経験した大規模な宇宙空間での戦争が、地球連邦政府とジオン公国のものだった。その最後の一年間は、人型の機動兵器、モビルスーツの実用期ともなった。あれから10年弱……。ユニバーサル・センチュリー0087(ダブルオーエイティセブン)。地球に住む人々とスペースコロニーに住む人々との確執はいまだくすぶり、人々の魂もいまだ地球の重力から解放されていなかった……。 スペースコロニー、グリーン・ノア2に住む少年、カミーユ・ビダンは連邦軍軍人への反発から、新型モビルスーツ、ガンダムMk-IIを奪取。反地球連邦組織『エゥーゴ』へと身を投じる。ガンダムMk-IIを奪われた連邦軍のエリート組織『ティターンズ』は、カミーユの両親を人質にとるような卑劣な作戦を強行した。結果、カミーユは眼前で両親を失ってしまう。 そんなカミーユの側にいるクワトロ・バジーナ大尉は、かつてのジオン公国軍のエース、シャア・アズナブルだったが、彼は軍をあるべきものにしようという夢を抱いていた。両親の死を悲しむ間もなくエゥーゴの作戦に参加したカミーユは、大気圏を突破して地球へ降下して、出会った男がいた。かつてのシャアのライバルだった伝説の男アムロ・レイだった……。
水の星へ愛をこめて
宇宙世紀 0087 年、地球連邦軍のエリート組織「ティターンズ」と、反地球連邦組織「エゥーゴ」の内戦は続いていた。エゥーゴに身を投じたカミーユは地球降下作戦後、エゥーゴの支援組織「カラバ」のハヤト・コバヤシらと接触。ティターンズの追撃をかわしつつ、再び宇宙へと還る機会をうかがっていた。 そんな折り補給のために立ち寄ったニューホンコンで、カミーユは、神秘的な少女フォウと運命的な出会いをする。だが、フォウはティターンズの強化人間。禁じられた二人の出会いは、カミーユの心を愛と苦悩に引き裂く。哀しみに満ちた戦いの果て、フォウは決死の覚悟で、カミーユを宇宙へと送り出す。 宇宙へと戻ったカミーユを待ち受ける激しさを増した戦場と、新型モビルスーツ“Z(ゼータ)ガンダム”だった。非道なコロニー落とし作戦や月面都市への爆弾テロなど、激しさを増すティターンズの戦法。そして大きく変転を始める政治状況。エゥーゴは指導者ブレックス准将を暗殺で失い、一方ティターンズ内部では木星帰りの男シロッコが勢力を拡大しつつあった……。 そして、ついに動きを見せ始める第三勢力――それは旧ジオン軍の残党、アクシズだった。カミーユの新たな力、Zガンダムが、混迷の戦場を切り裂いて飛ぶ!
宇宙世紀 0087 年、地球圏の戦乱は混迷を極めていた。連邦軍のエリート組織「ティターンズ」と反地球連邦組織「エゥーゴ」の内戦の最中、エゥーゴを指揮する立場となったクワトロ(シャア)、ティターンズを我が物にしようと目論む“木星帰りの男”シロッコ、そして「ザビ家」復興を掲げるジオン軍残党“アクシズ”の指導者ハマーン・カーン。三つの勢力の地球圏の覇権を賭けた、政略と軍略が絡み合い、戦局は、巨大レーザー砲へと改造されたスペースコロニー、グリプス2を巡る最終局面へと突き進んでいく。 戦場では、人々の愛情と憎しみが交錯する。エゥーゴを離れ、ティターンズのシロッコの下へ身を寄せる女レコア。シロッコを慕いながらも、エゥーゴのカミーユたちに惹かれる少女サラ。そんな人々の想いを受け止め、Zガンダムは、混迷の戦場を飛ぶ。 そして、ついにカミーユは知る。Zガンダムの持てる力で倒すべきは誰なのかを――。戦火の果てにカミーユを待ち受ける運命は !?