終戦から3年の昭和23年。東西冷戦の余波は日本、そしてアジアに及び始めた。朝鮮半島ではイスンマンとキムイルソンがそれぞれ政権成立を宣言、半島の分断が決定的となり、中国では毛沢東の共産党が勢力を伸ばし始めた。そうした流れの中、アメリカは日本の統治方針を大きく方向転換させる。「非軍事化・民主化」から「反共・経済復興」へ大きく舵を切ったのだ。日本国内では極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判が判決を迎える。 東條英機をはじめ、7人に絞首刑が言い渡された。開廷から2年半、その間、原爆投下を引き合いに裁判を批判した米国人弁護人も現れた。東京裁判とはいったいどのような裁判だったのだろうか。