今、働き盛りのはずの40代・50代に異変が起きている。長期間、働けずにいる労働者が急増しているのだ。彼らは求職活動をしていないため、雇用統計の「失業者」に反映されず、労働市場から“消えた”状態だ。こうした人は先進各国でも増加し、欧米の社会学者は「ミッシング・ワーカー」として問題視している。日本では、40代・50代の「失業者」の数は72万人。一方、専門家の推計で「ミッシング・ワーカー」は103万人に上る。背景には、非正規労働の急増がある。非正規労働者は転職を繰り返すうちに、低賃金かつ劣悪な仕事しかなくなり、転職に失敗すると、八方ふさがりの状況に陥る。中高年になると病気や親の介護など、様々なことから転職につまずき、その結果、労働市場から排除された状態が長く続き、「ミッシング・ワーカー」となってしまうのだ。さらに深刻なのは、独身中高年が増えていることだ。40代・50代の独身中高年は、650万人。親の年金などに依存していると「消えた労働者」の問題が見えにくく、支援が行き届かないまま事態が深刻化するケースが続出している。番組では、「ミッシング・ワーカー」の実態に密着ルポで迫るとともに、解決の糸口を探る。