33歳、書店で店長を務める花田菜々子(瀧本美織)は、元同僚でおにぎりのデザインを愛する旦那・健(竹財輝之助)と離婚寸前。書店員としての仕事も時代の流れの中で思うように紙の本が売れず、どん底人生まっしぐら。そんな彼女が出会い系サイトAU×AUに登録し、プロフィールに書いた一言は、「今のあなたにぴったりの本をお薦めさせていただきます」。男女問わず、一癖も二癖もある人との出会い、菜々子の冒険が始まる。
低迷する書籍の売り上げを見つめ、憂鬱な気持ちの菜々子の前に、同じ会社の先輩・吉田(丸山智己)が現われる。かつて菜々子は毎日のように吉田に本を薦めていた。菜々子の仕事への情熱を危惧した吉田は、以前のように自分に本を薦めてほしいと依頼。菜々子は吉田へ薦める本選びに没頭する。出会い系サイトでは、独特の趣味と雰囲気を持つ男・原田(栗原類)と遭遇。菜々子は奇妙なひと時を過ごすことになる。
出会い系サイトで順調に本を薦めまくる菜々子。出会う人々は奇妙な人ばかり。変わった人ばかりだと感じていた菜々子だが、そんな変わり者から、菜々子自身が「怪しい」と指摘され困惑する。出会い系サイトで菜々子は進化を遂げ始める。
サイトでの出会いに慣れ始めてきた菜々子。映像制作の会社を経営する遠藤(森崎ウィン)と出会う。遠藤の無邪気な明るさに触れ、知らぬ間に菜々子は気持ちが揺さぶられていく。自分の意外な気持ちに気付き、新たな人生の道が開き始める。
出会い系サイトでの「出会い」を重ね、20人もの人に本を薦めてきた菜々子は初めて同性に会うことになる。チャーミングだが、ある過去を抱えるあみ(里々佳)。コーチングを実践してくれるというユカリ(伊藤修子)。2人の女性との出会いを通じて菜々子の人生は加速してゆく。
遠藤の誘いで、コワーキングスペースでの飲み会に参加することになった菜々子。出会い系サイトとは違った人との出会いに戸惑いながらも、本を薦め、自分の“正解”を広げていく。順調に人と出会い、本を薦めていた菜々子だが、仙台からやって来た藤沢(安井順平)という男と出会い……。