真木栗顕と桐原八重子は、すれ違った男の頭に広辞苑が直撃し、血を流して倒れるところを目撃してしまう。なぜかその男は2人の介抱や救急車を拒絶し、ケガ人とは思えない機敏さで逃げ出してしまう。その男は自らを「モグラ」と名乗り、「自分はあの世から出禁を食らっているから死なない」と、奇妙なことを語るのだった。
モグラは、かつて戦争に招集され、この世の地獄を見たと語る。そんなモグラの目的は、再びカンテラに灯を集め、あの世にたどり着くことだった。数日後、モグラは2人から相談を受け、心霊写真に写っている八重子のバイトの後輩・犬飼詩魚のもとを訪れる。彼女にまとわりついていた幽霊を追い払って、灯を集めることに成功するモグラだったが…。