村井茂

ヒロインの夫であり、もう一人の主人公。太平洋戦争中、陸軍兵士としてニューブリテン島に出征。歩哨のとき攻撃され、前方に単独配置された分遣隊(分隊規模)で唯一生き残った。しかし、敗走時に感染したマラリアの療養中に空襲で左腕を負傷し、無麻酔の切断手術を受けた。左腕を失っても悲観することなく、戦地で終戦を迎えた。戦後、絵で身をたてようと決意、紙芝居画家を経て、東京都調布市で貸本漫画家をしていたときに布美枝と結婚。長く不遇の時代を過ごすものの、どこか飄々とした雰囲気を漂わせながら努力を重ね、貸本漫画から漫画雑誌への進出に成功。独創性、物語性を評価されて40代にして遅咲きの売れっ子漫画家になった。