米海兵隊に向けられた「大和」の主砲弾を全て撃墜した「みらい」。 「大和」では、「みらい」の恫喝に屈するなと主張する参謀たちを前に、草加が作戦中止を進言。 山本五十六の回答は……!? 一方、ガ島にいる角松たちは日本軍を捜索中の米兵に 発見され、自らの命を守るため、やむなく米兵に向けて銃を撃つ。角松の眼前に突き つけられたナイフ。戦場で否応無く迫られる「生」と「死」の二択――。
史実では全滅したはずのガ島設営隊を救出。岬まで辿り着いたのは2千500名中185 名だった。救出作業を津田に任せて密林に入った角松は、設営隊の岡村少佐と遭遇。 彼は、未だ密林をさまよう隊員捜索のために自分は残るという。史実では、岡村は一 週間後に来るガ島奪還部隊と共に戦い、そして生き残る。だが今回の救出で歴史が変 わり、おそらく部隊は来ない……。角松からそれを聞いた岡村は!?
草加たちを収容するため連合艦隊の根拠地トラックに入港した「みらい」。梅津艦 長は山本長官と会見し今後の歴史を語る。 山本は、陸軍の徹底交戦派・辻政信からガ島上陸への協力を強要されており、早期講和のため梅津に「みらい」の指揮権移譲を 要請するが……。海軍の“謎の動き”を探るため山本と梅津の会見の場に近づく辻。 その背後に現われた草加は、辻の額に銃口を突きつけた――。
山本長官の反対もむなしく、ガ島奪還作戦は断行される。だが本来の歴史とは異なり、辻政信も一木支隊と共に出発した。上陸した角松は、偶然草加を発見。追跡し た 先には、今まさに離陸しようする陸軍機が……! 発進する陸軍機に食らいつく角 松に、草加は“イシワラ”というメッセージを伝える。そして「みらい」は、梅津艦 長の決断により、この時代の横須賀へ帰港することに。
「みらい」の横須賀帰港。だがガ島決戦を控えた今、駆逐艦を護衛に割く事はでき ないと連合艦隊司令部は紛糾。そこへ滝少佐が潜水艦で自分も同行すると申し出た。 「みらい」を「災いをなすもの」と捉える滝の思惑は――。 日本に戻った草加は石原莞爾と面会し、現在の日米の力関係を根底から覆す情報を与える。その頃、米空母「ワスプ」にハットン中佐の第六爆撃飛行隊が召集されていた。
伊21号潜水艦とともに横須賀へ向かう「みらい」のレーダーが、未確認の機影を捉 えた。伊号に照会すると「日本軍機」との回答が。疑念を抱いた角松は、柳を伴い伊 号に乗り込んだ。「みらい」を沈める――それが滝の答えだった。伊号は急速潜行 し、残された「みらい」の眼前には米軍40機の大編隊が……! 伊号にいる角松たちは 安全と判断した「みらい」は、海域離脱を選択。ところが突然伊号が再浮上を始めた !
「みらい」を第六爆撃飛行隊が襲う。自動発射管制モードなら、全機を瞬時に撃墜することができる。だが菊池は、一部を叩き相手の戦意をくじく戦法を取り、主砲と短SAM6基のみを発射した。 戦闘開始後1分で飛行隊は半数を喪失。だが、残りの部隊はなおも退かず、「みらい」上空には突撃するハットン機が……! 艦の損傷、奪われた隊員の命……。第2次攻撃を準備する「ワスプ」に対し、菊池が下した決断は!?
「ワスプ」撃沈……それが菊池の苦汁の選択だった。味方ではない者は“敵”と見 なされる。それを認めなくては自分たちを守れない――。「みらい」は「ワスプ」に 向けトマホークを放った。伊号の潜望鏡から、海上で起こった事態を知った角松。空 へ放たれたトマホークと、損傷し煙を上げる「みらい」……。角松は菊池の胸中を思 う。菊池は、防衛大学卒業を目前にして一度は任官拒否を決めたのだった。
「みらい」からの警告を無視した「ワスプ」にトマホークが着弾し、1万5千トン の空母が30分で沈没した。伊号では、滝が「みらい」を雷撃すると宣言。圧倒的戦力 を持つ「みらい」と言えど、近距離から全門斉射を受ければ無事ではすまない……柳 の心配をよそに、角松はそれは不可能だと断言した。角松に「撃てない理由」を説明 するよう促された柳は、とっさにある答えを出す。その答えに伊号の島本艦長 は……!?
一木支隊第二悌団がガ島上陸を断念。岡村は、辻に“未来から来た男”に聞いたガ 島攻防戦の結末を語る。日本軍は大敗、将兵2万5千人が病気と飢えで死ぬ――自決 するという辻に岡村は!? 「みらい」による「ワスプ」撃沈は、双方の乗組員に衝撃 をもたらす。第六爆撃隊は壊滅し、親友の死に立ち会うハットン。「みらい」もまた「死者5名」という現実に直面。戦争の重さと向き合うことを覚悟した隊員 は……。
「みらい」横須賀入港に警戒する海軍。交渉に訪れた予備役海軍大将・米内光政 に、梅津は「みらい」生存権の確保を要請する。戦争による犠牲者を減らしたいと語る 梅津に対し、米内は言った。「貴艦にはこの横須賀のドックで朽ち果て鉄屑になって 欲しい」。その頃草加は、津田を横浜のホテルに招いていた。この半年間が、早期講 和への最後の機会になる――。理想の国「ジパング」への第一歩として、草加は日本 を発つ。
横須賀上陸の許可が降り、東京深川を訪れた角松。父・洋一郎の実家があるこの地 で会った指物師が、角松の祖父・洋吉だった。洋吉に洋一郎のことを尋ねると、3日 前に車に轢かれて死んだという。この世界は自分たちの日本に繋っていない……! 歴史を変えているのは草加。彼を生かした責任は自分にある。角松は草加を追う。連 合艦隊指揮下に入らざるを得ない「みらい」に“最後の意志”を残して――。