小学校時代の幼なじみである日浦から、アニメーションの脚本を頼まれた藤。その前に他の仕事を済ませておこうとするが原稿がなかなか書けず、ついため息がこぼれてしまう。ふと顔を上げると、窓の外には初春の夕焼け空が広がっていた。その空を見て、藤は同級生に言われた言葉を思い出す。「いいなぁ、好きなことを仕事にできるなんて」。昔も今もずっと本が好き、だから小説家になったのだけど…。藤は思いを巡らせながら小説に向き合う。