武神タケリビと豊穣神トヨハナを両親に持つサクナヒメは、その恵まれた境遇に甘えてぐうたらな生活を送っていた。ところがある日、神々の住む頂の世に迷い込んだ人間たちを都に侵入させてしまった上に騒動の末、主神カムヒツキへの献上物を全て台無しにしてしまった!その代償としてカムヒツキがサクナヒメに言い渡したのは…
荒れ狂う海の中、何とか島に到着したサクナ達は、母のトヨハナがかつて住まっていた家があるという峠を目指す。道中、鬼達と遭遇するがサクナは難なく撃退。そこにサクナの両親とも縁が深いというアシグモが現れ、サクナ達を峠に案内する。無事に住まいは見つかったものの、今度は食料集めに駆られるサクナ達、そんな中、田右衛門は稲の籾を取り出すのだった
母トヨハナの残した農書を頼りに稲作を開始したサクナ。田起こしを済ませ、苗を育て、田植えを開始するが、慣れない稲作に悪戦苦闘する。それに加え食事も不十分で一向に改善しない生活と、途方もない米作りへの道のりに、サクナは嫌気がさして逃げだしそうになってしまう
サクナの働きにより峠の近くでは鬼を見かけることが少なくなっていた。これならサクナ以外の者でも近くの森や沢に行くことができ、食料調達等手分けもできる。ただ、稲作の方はどうしても人手が足りない。そこでアシグモに相談し、沢の近くにすんでいるという河童達に協力を仰ごうとする。しかし、ミルテを見た河童は…
季節は夏。きんたが所望した鍛冶小屋も完成し稲作も順調に進む。しかし相変わらず、きんたはゆいにきつく当たる。邪険に扱われても、なおそばにいて関わろうとする真っすぐなゆいを見たサクナはきっと恋に違いないと、愛読書である「片恋物語」を参考にゆいを応援しようとするのだった。
秋を迎え、稲穂に覆われている田。風が流れ揺れる稲穂。喜ぶサクナを前に、田右衛門は収穫まで油断は出来ないと話す。そんな時、大きな地震が起こる。川も濁り様子がおかしい。多くの鬼が火山に向かっていたという報告もあり、サクナは火山に向かうことに。火山の麓に着くと「憎い、憎い」と声が聞こえる。鬼たちの亡骸に背を向けた先に現れたのは…
サクナが島に旅立ってからココロワヒメの日々は目まぐるしく変わっていた。カムヒツキからも評価され都で活躍するココロワだったが、サクナが一時呼び戻されると聞いて動揺する自分に気づく。サクナは、ヒノエ島での活動の報告のため、都に一時戻ることになっていたのだ。その後、久々のココロワとの再会にはしゃぐサクナだったが一方のココロワは動揺を隠せないでいた…
サクナたちが作り「天穂(あまほほ)」 と名づけた米は都でも評判になっていた。しかし、ある日峠に現れた瀬守神(せもりがみ)は天穂が人を惑わす危険な米だと流通を禁じられていることを告げる。サクナ達は、自分たちの米の評判に傷をつけようとした者が米に細工をしているのを察すると、更にココロワヒメにその嫌疑がかけられていると知る。それを信じようとしないサクナは都に戻り真犯人を突き止めようとするが…
ある日、峠に傷ついた兎鬼が紛れ込んでいた。鬼の身体の刀傷を見るに、仲間割れの末に追い出されてきたようだ。兎鬼の処遇を巡りサクナ達の意見も割れるが、手当をして開放することに。タマ爺は峠に鬼が現れた原因を邪気が強まっているからではないかと推測し、サクナ、ココロワ、アシグモはその邪気を辿って、かつて戦場になった砦に向かうのだった…
鬼を束ねていた石丸を追い詰めたサクナだったが、島の火山の大噴火が起こり、悪神・オオミズチが復活してしまう。急いで峠に戻るが、峠は焼き尽くされ田はまっ白な灰に覆われており、サクナは愕然と立ち尽くす。なんとか物陰に隠れて難を逃れた田右衛門たちと再会し安堵するも、サクナはこの状況をどう乗り越えたらよいかと打ち拉がれる…
石丸に相対する田右衛門。説得を図ろうとするが石丸はかいまるを人質に取る。すると突如かいまるの身にある変化が起き、更に石丸の脳裏に声が響く。動揺して石丸は逃走する。タマ爺とココロワによれば、田右衛門、ミルテ、ゆい、きんた、かいまるは頂きの世にきて生活をしているうちに、神に近い力、神気を宿し神に近づいているという。
石丸との戦いに決着をつけ、この島を守るためにオオミズチと戦う事をサクナは決意する。そんなサクナにタマ爺は、オオミズチを倒すためには羽衣の力だけでは足りず、折れた星魂剣の半身たる自身を溶かして打ち直し、新たな武器とするしかないと説く。しかし、そうとなればタマ爺の心は失われ、話すこともできなくなると拒否するサクナなのだった。
祀られることによって、神は力を増す。戦いを前にした皆の心遣いにより峠では祭りが行われていた。そんな中、地震が起こるが、その災いの源たるオオミズチ討つ決意を皆に告げ勇気づけるサクナ。様々な困難を家族・親友・仲間たちと乗り越え、豊穣神として成長したサクナはついに大龍との決戦に向かう!