東京の高校生・神名綾人は、試験会場に向かう途中、突如上空に現れた謎の航空部隊の攻撃に遭遇した。公安を名乗る青い血の男たちに拉致されそうになった綾人は、謎の女性・紫東遙に救われるが、彼女にまで銃を突きつけられる。混乱した綾人は、不思議な少女・玲香に導かれるようにして、地下神殿にたどりつく。
卵から出現したラーゼフォンと意識が同調した綾人。ドーレムという謎の兵器と戦闘機の間に割って入ったラーゼフォンは、強大な力を発揮する。全ては消失し、またいつもの日常が戻る。だが「真実を見せる」という言葉に従って遙とVTOLで東京を脱出しようとした綾人は、再び玲香に導かれてラーゼフォンと同調する。
攻撃されたラーゼフォンは綾人と同調し、ドーレム・フォルテシモを粉砕、「回廊」を作って飛び去った。外から故郷を見た綾人は、TOKYO JUPITERというものを目撃する。謎の存在MUに占拠された首都は不思議な膜に包まれ、住人は偽りの生活をしていた。しかも、膜の外部とは12年もの時間差が生じていた。
TERRA特務航空母艦リーリャ・リトヴァクに収容された綾人は、不思議な少女・如月久遠を始めとして、多くの人々に出会う。ラーゼフォンはオーパーツとして特設輸送艦ユリシーズに移され、TOKYO JUPITERから来た綾人も監禁される。そこに、深海から新たなドーレム・グラーベが接近してくる。
綾人のドーレム撃退によりラーゼフォンの連合への移送は中止、TERRAの本拠地・ニライカナイ島のネリヤ遺跡で運用されることになった。TERRAの一員として迎えられ、如月博士の案内で新しい家へと案内される綾人。そこは遙が妹の恵と同居している六道家であった。そこで過ごす時間の中で、綾人の心は開いていく。
北海道函館市で、謎のオーロラ現象により地面の一部が突然沈下、消滅する怪現象が発生した。それは、キムの両親を殺したドーレムの仕業だった。父母が残したオルゴールに聞き入っていたキムは、その跡がMUの紋章を描いていたことから、ドーレムが声紋と同じパターンを描きながら移動していることを突き止める。
エルフィたち4人のパイロットがTERRA航空団α小隊として着任し、地球連合からは監察官の一色が送り込まれてきた。綾人はラーゼフォンでドーレムを迎撃してＤ１アリアに苦しむエルフィを救うが、それと引き替えにプラズマ発生雲に覆われて電撃を受ける。異常高温に包まれた奏者の座で、苦しむ綾人が見たものは…。
南国の根来島に雪が降り、やがてそれは猛吹雪になった。樹からのプレゼントであるペンダントの結晶に取りつかれた七森はドーレムと同化し、全長500mの氷樹と化す。出撃したラーゼフォンの中で寒さに身を震わせる綾人。その時、奏者の座に玲香が現れ、綾人の手を取るのだった。
異常気象の続く中、暑い正月を迎えた根来島。海で玲香らしい人影を見た綾人は、久遠と共に入った祠の中で失踪してしまう。綾人を捜す遙に、その祠では38 年前に2人の女の子が「逆神隠し」として突如出現したと告げる弐神。1週間後、綾人たちの捜索は打ち切られそうになるが、その頃綾人は祠の中で東京を目撃していた。
ラーゼフォンに搭乗する綾人は、α小隊と連携してドーレムを苦もなく倒せるようになっていた。ある日、功刀司令は私用で1日留守をすることになった。それは彼の特別な日だという。すると弐神から取材を迫られ、功刀はMUが突如襲来した日のことを思い出す。その日、彼は上官と激しい議論を繰り広げていた。
東京湾沖でドーレムの歌声を受けたラーゼフォンは、活動停止に追い込まれた。気がつくと、綾人は吉祥寺の雑踏の中にいた。東京に戻ったのかと思う綾人だが、再会した浩子と守にひどい違和感を感じ、街の中を逃げまどう。壊れた感覚から逃げられない綾人だったが、その時外部からの連絡が意外な方法で入ってくる。
眠り続ける久遠に、変化の時が近づいていた。それを察したバーベム財団のヘレナは調査チームを差し向けるが、久遠はライフモジュール無しでベッドを離れ、失踪してしまう。その時、東シナ海に出現したドーレムをラーゼフォンで迎撃していた綾人のコックピットに久遠が現れ、綾人の手を取ろうとする。
人間標本とはTOKYO JUPITERから救出された者を指す。だが七森の調査では、その第1号はMU出現よりも前、1989年に登録されたという。それを知った遙は、MU襲来の日や樹との大学時代を思い出す中で何かに思い至り、時の祠へ行く。そこで弐神は、人間標本第1号のカルテを提供すると言い出す。
久遠の覚醒を知ったヘレナは、久遠の財団への移管を決定した。一方、新戦力・ヴァーミリオンのテストの中で八雲と口論になったエルフィ。それを立ち聞きした綾人は、自分にムーリアン反応があることを知る。その時ドーレムが襲来し、D1警報が発令される。ヴァーミリオンで迎撃に出るエルフィだったが…。
幼少時代、広い屋敷で共に暮らしていた一色、樹、ヘレナ。ある日、一色は犬の大きさほどの生きた泥人形を見つける。その生き物は一色になつき、触れると澄んだ音色を響かせた。両親を知らない一色は、樹を誘って屋敷を抜け出そうと地下回廊を進むが、その途中で泥人形が一斉射撃を受ける現場に出くわしてしまう。
恵はTERRA正式採用のため、ラーゼフォン逃走を想定したテストをしていた。自分の正体を知った綾人は亘理長官に食ってかかり、久遠はバーベム財団への移管を目前に周囲に別れを告げて回る。遙や恵、七森たちを含め、ニライカナイに住む人々の何かが確実に変わろうとしていた中、綾人は久遠から意外な依頼を受ける。
東京を目指し、ラーゼフォンで飛んだ綾人と久遠。一色はヴァーミリオンでの迎撃をエルフィに命じるが、エルフィは無断でコックピット内に遙を同乗させる。ラーゼフォンに追いついたエルフィと遙だが、量子回廊を開いたラーゼフォンは、綾人と久遠を乗せたままTOKYO JUPITER内へと消える。
TOKYO JUPITER内に潜入した遙とエルフィは、神名家を監視する。母・麻弥と再会した綾人は身体に変調を起こし、呼応するようにラーゼフォンが街で暴れ始める。綾人にムーリアンたちの正体を告げようとする麻弥。その時、バーベム島の黒い卵が東京の病院に横たわる久遠の歌声に呼ばれ、量子分解を始めた。
撃たれた浩子を連れてTOKYO JUPITERから脱出した綾人。ラーゼフォンを湖底に隠した綾人は、浩子と2人で逃避の旅に出る。自分の青い血に怯え、綾人にすがりつく浩子。とある街のホテルに潜伏した綾人は、浩子との生活のため肉体労働で金を稼ぐ日々を送る。だが、その足取りは弐神に追われていた。
ニライカナイに連れ戻された綾人。TERRAでは功刀が更迭され、一色が新司令官に着任していた。そんな中綾人は、ハルカ少尉と名乗る玲香そっくりの情報解析士官に出会う。六道家に戻った綾人の前には、東京にいたはずの守が現れ、遙は綾人保護のため一色の腹心となる。不穏な空気の中、新たなドーレムが接近してきた。
6機のT・Jバスターを使ってTOKYO JUPITERの絶対障壁を消滅させるというダウンフォール作戦が、一色によって発令された。一色に協力を迫られた綾人は、考える時間を与えられて、小夜子や樹と会う。その頃、六道家にかくまわれていた守は、優しく接してくれていた恵に対して態度を豹変させる。
六道家で描いていた綾人の絵が完成した時、玲香が姿を現した。彼女はイシュトリ…オリンを完全なるヨロテオトルへと導く者であった。バーベム島でピアノを弾いていた久遠の前にもイシュトリが出現し、ついに黒い卵が割れていく。一方、東京の絶対障壁は完全に消滅、ダウンフォール作戦は成功したかに見えたのだが…。
TOKYO JUPITERは消滅した。だがその結果、世界各地にMUの空中都市が出現・増殖し、ラーゼフォンは次元卵に回帰してしまう。ニライカナイの全島民を艦隊に移乗させ、撤退を開始するTERRA。リーリャ・リトヴァクの避難民の中にいた綾人は船上で玲香と再会し、気付くと2人は時の祠の前に佇んでいた。
MUとしての使命に目覚めた久遠はヒラニプラへと赴いた。TERRA船隊が連合の補給基地で民間人を下船させる中、八雲は出撃の意志を固める。樹は遙に奏者オリンの秘密を明かそうとしていた。そして、バーベム財団から支援物資として、新たに6機の黒いヴァーミリオンがヘレナ達とともに到着する。
太平洋上にMUのドーレム群が出現、地球連合艦隊と交戦する。光に包まれるラーゼフォンの中で、綾人の意識はまだ完全に目覚めていなかった。浩子を殺された恨みを込めて、ラーゼフォンから奏者の座を引きずり出す守のドーレム・オブリガード。だが、そこに綾人の姿はなかった。その瞬間、太平洋に少年の唄声が響き渡る。
大海原が終末の様相を見せる中、綾人と久遠はどことも知れぬ世界で対話をしていた。天空では、世界の真実の心臓となった2体の真聖ラーゼフォンが波動を放ち、戦いを続けていた。だが、綾人の心は失った真実をいまだに取り戻せない。一方、遙は恵に励まされ、VTOLを駆って綾人のもとへと翔び立った。
異次元からの侵略者「ＭＵ」は、東京を外界と隔てる絶対障壁で包み込んでしまった。３年後、高校生・神名綾人の前に、紫東遥と名乗る29歳の女性が現れる。ＭＵ戦略研究員である彼女は、実は、かつて離れ離れになった綾人の恋人、遥だった。壁の内側は時間の流れが遅れていたのだ。そして綾人は、自分が世界を変える能力を持った「時間調律師」であることを知らされる。時間調律師が神像ラーゼフォンと一体化すれば、世界は崩壊する。果たして、遥と綾人はそれを食い止められるのか？
